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※こちらの記事は、「月刊プロパティマネジメント(2015年7月号)」に掲載されたものです

慢性的な供給不足続くホテル投資市場コンバージョンや開発も含め多様な選択肢を


取引キャップレートはAクラスビル並み 投資は運営も含めたグループ総力戦の様相


森雅章
ソリューション事業本部
営業統括部 投資営業第二部長

土田尚吾
ソリューション事業本部
営業統括部 投資営業第二部
営業グループ(A)
グループマネージャー

 東急リバブルでは、ソリューション事業本部内に「ジャパン・ホテル・ソリューションズ」を設け、ホテルやホスピタリティ関連資産の仲介に関して専門サービス窓口を備える。2013年9月には、ホテルコンサルティング大手のホーワスHTLなどとも提携。体制を増強するなかでホテル関連資産の取り扱いも着実に伸びてきている。

 足下のホテルマーケットについて、投資物件の不足がより顕著になってきたと指摘するのはソリューション事業本部 営業統括部の森雅章投資営業第二部長だ。「2014年ごろまでは投資案件もそれなりにみられたが、今日ではマーケットからほぼ姿を消してしまった。特に需要の強い東京や大阪、福岡など大都市のビジネスホテル案件が顕著である」。

 現在、平均的な都心立地のビジネスホテルの取引利回りは4~5%となっており、これはAクラスオフィスビルや賃貸マンションと肩を並べる水準にある。東南アジア5か国への訪日ビザ免除・緩和や円安などに伴う訪日外国人客の増加による、収益拡大期待背景にあるとみられている。

 投資需要を牽引するのは、J-REITやデベロッパー、すでにホテル事業を持つ一般事業会社などの国内勢と、香港や台湾、シンガポールなど東南アジアを中心とする海外勢だ。海外勢もファンド・REITから富裕層による個人投資まで、プレーヤーは幅広い。もっともマーケットが高値圏にあることは誰もが認めるなかで、投資家もやみくもに取得に突き進んでいるわけではない。

 直近のJ-REITやデベロッパーによる投資の場合、例えばジャパン・ホテル・リート投資法人ではスポンサーおよびバックアップオペレーターに共立メンテナンスが名を連ねており、米フォートレスであればマイステイズ・ホテル・マネジメントをグループ化しているなど、グループ内に自前のホテルブランドやオペレーターなどを有しているケースが多い。彼らはホテルを収益不動産としてだけではなく、トータルな視点で検討している。運営をグループで内製化できることは、投資検討段階においてもメリットが大きいと話すのは投資営業第二部の土田尚吾グループマネージャーだ。

「グループ内に運営ノウハウがあれば、入込みやADRなどの運営状況の予測や収支分析を行う場合に圧倒的に有利。開発案件の場合には、自社のオペレーションに合わせより無駄のないプランニングが可能になる」。

 アジア系の投資家についても、運営機能は持たないとしても、例えば本国の観光客を団体で送り込める体制を整えるなど集客面で勝機を見いだしているところもある。現在のホテル投資は、アセット単体ではなく、投資家グループ全体のもつ機能やノウハウを結集した総力戦になっているといえよう。



コンバージョンや開発にチャンスあり “外国人向け立地”に売買を探る動きも


 東京や大阪、福岡などの大都市のホテルに需要が集中し、取得競争が激化するなか、投資家が目を向けるのはまずもって選定エリアの拡大である。J-REITの取得事例をみれば明らかなように、地方都市の駅前ビジネスホテルや、ロードサイドのホテルなどに資金が向けられている。ただしこうした地方都市においてもすでに競争は激しい。数年前のように、運営力やブランド力のないオペレーターをリテナントしたり、建物の簡単な改修を行うことでバリューアップが狙えるような、分かりやすい投資案件は枯渇しはじめている。

 では現マーケット環境下における新規投資は不可能なのか。

 東急リバブルが比較的チャンスが見込めるとしているのは、既存ビルのコンバージョンや土地からの開発案件だ。とくにコンバージョン案件については、新規開発に比べ資金の拘束期間も短くより多くの投資家にとって許容しやすい。同社としても、空室ビルがあった際には立地や築年、建物のスペックを考慮しながら、ホテルへのコンバージョンの可否を積極的に検討している。

「シティホテルやビジネスホテルといったこれまでのホテル業態に加え、最近のホステルやゲストハウスのような外国人をメインターゲットとした、デザイン性が高くリーズナブルなホテルや、ファーストキャビンやナインアワーズのようなモダンなカプセルホテルなど、供給サイドからもさまざまなアイデアが出てきている。こうした新しい業態も念頭におきつつ、より有利な投資機会を紹介していきたい」(土田氏)。

 拡大する外国人観光客需要を見越した投資にもまだ可能性はある。箱根やニセコの旅館やリゾート施設はもとより、最近では海外スキー客の新たな聖地ともなりつつある白馬や、より分かりやすく富士山の望める景勝地などもアジア系投資家から人気が高まっている。

 ホテルの投資マーケットはすでに需給が非常にタイトになっているが、買いの勢いはしばらく収まりそうにない。「マーケット拡大を見越し、投資家のホテル投資意欲は引き続き強い。良好な資金調達環境を背景にこれからさらに新規ファンドレイズを検討する動きもあると聞く」(森氏)。そのような投資家の動きに対し、同社は豊富な情報量を強みに、既存のホテル案件に限らない多様な選択肢を提供していきたいとしている。同時に、上海、シンガポール、台湾、香港にある同社の海外拠点から寄せられる具体的な投資ニーズをもとに幅広い情報網を活用して直接アプローチすることで、市場に流通していない投資物件の掘り起こしも狙う。

 市況は盤石にもみえるが、リスク要因もある。外国人観光客の増加を成長ドライバーとする以上、円高への逆ブレや東南アジア諸国との政治的な関係悪化、自然災害リスクなどのほか、政府が国家戦略特区内で導入を検討している旅館業法適用の一部除外、Airbnbなどで進む民泊の広がりも挙げられる。空き家やマンションの空き室などを通じた宿泊スタイルが広まれば、ホテルサイドが被る影響は少なくないはずだ。投資家にとってはこうした制度リスクを念頭におきつつ、単に数字だけではない、立地やサービスも含めた本質的な価値を追求したホテル投資が求められよう。

[図表]「ジャパン・ホテル・ソリューションズ」での提供サービス例



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