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※こちらの記事は、「月刊レジャー産業 No.580(2015.01.01発行)」に掲載されたものです

ホテル投資は多様化、専門性を要求されるステージへ


投資目線は新規開発・コンバージョンへも


――現状のホテル投資マーケットの動向を教えてください。

土田 14年のホテル売買市場はビジネスホテルを中心に活況を呈しました。将来のホテルマーケットの成長を見込んで、国内外の多くの投資家が高い関心を寄せているのを実感しています。

 11年以降、取引件数は確かにふえていますが、既存ホテルの売却物件は限られているうえ、相対取引ではなく入札案件が多くなっているので、競合が激しく、取引価格も高騰しています。多くの投資家からは、アップサイドシナリオ(成長戦略)を描いたうえでバリューを付けなければいけないという声も聞かれますので、ホテルアセットに対するより深い専門性を求められます。

 そうした状況を避け、土地からのホテル開発を視野に入れる投資家もふえています。ただ、オフィスや商業施設、レジデンスなどと競い合いながら土地を取得しなければならない環境が続いており、こちらも過熱しています。

 そこで、オフィスビルなど既存建物のコンバージョンによるホテル開発を検討する投資家が急速にふえています。ホテルの開発案件の場合、建設コストの上昇が懸念材料となりますが、コンバージョンの場合では、投資コストの削減に加え、工期が大幅に短縮されるので、それだけ早く投資リターンを得ることができるというメリットが大きいです。

――新規開発のトレンドは。

土田 たとえば、ビジネスホテルのような立地を重視する宿泊業態の場合、マンションデベロッパーとの競合は避けられません。

 最近では、必ずしも駅近立地ではないロケーションで、ホステルやカプセルホテルといった価格訴求力の強い業態を誘致するケースも見受けられます。さらに、日本に未進出の外資系ブランドの出店オファーも強まっていますので、ブランドコンセプトによっては従来ホテル立地としては考えにくかった土地にホテルが開発されるケースもふえてくると思われます。

――海外の投資家の動向はいかがでしょうか。

土田 海外投資家にとっては、円安に伴い日本の不動産に対する割安感が出てきていますので、高値を受け入れやすい環境下にあります。

 当社は、上海、香港、台湾、シンガポールに拠点があり、海外投資家のニーズを常にキャッチアップしていますが、海外の個人富裕層はビジネスホテルを投資対象として安定的なリターンを期待しており、長期保有の傾向が強いといえます。

――一方で、売り主側としてはマーケットの成長を見越して継続的な保有意向が高まっているのでしょうか。

土田 売り主側の事情やタイミングはさまざまです。今後もマーケットの成長が見込めるので、中長期的な保有意向に傾いている投資家もいるのでしょうが、これだけマーケットが活発に動いているということは、強気な価格を提示しても投資家の価格感が追い付いてきているので、いまが売却のタイミングだという思惑もはたらいているのではないでしょうか。

 当社には、毎日、全国から多くの売買物件情報が入ってきます。私どもとしては、いまホテルへの投資が注目を集めているなかで、売り主側の条件と買い主側の需要とのマッチングをいかに早く、確実につなげていくかに注力しています。

――投資マーケットへの物件供給源としてのポジショニングも担っているのですね。

土田 はい。当社は日本全国の情報網に加えて、デベロッパーとして東急不動産、管理機能として東急コミュニティーや東急住宅リースという、東急不動産ホールディングスグループによるワンストップでのサポートが可能です。

 さらに、ホテルの仲介ビジネスには高い専門性とグローバルなネットワークが要求されますので、ホテル投資コンサルティング会社と業務提携を行ない、専門のチームJHSを立ち上げ陣容を強化しました。MC(運営受託)契約物件についても、「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」の仲介実績を経てノウハウを積み重ねていますので、積極的なアップサイドを志向する投資家への売却支援も強化しています。

別図 業務提携における各社の業務内容

別図 業務提携における各社の業務内容



インバウンドの拡大で投資対象にも広がりが増す


土田尚吾(つちだ しょうご)

大手電気機器メーカー勤務を経て、2004年に東急リバブル(株)入社、ソリューション事業本部配属。大型再生案件における不動産売却アドバイザリーや、海外投資家向け日本不動産の投資仲介、REIT・私募ファンドを中心とした不動産流動化事業などを手がける。

――最近では、都心だけでなくリゾートへも投資家の触手が伸びています。注目されている動きは。

土田 首都圏近郊では箱根や熱海、関西では大阪や京都、リゾートでは沖縄や北海道などに注目している投資家がふえています。今後も、国内のレジャー需要だけでなく、拡大しているインバウンド客がリゾートや温泉観光地に足を伸ばすでしょうから、需要の拡大が予想されます。

 一方で、耐震改修促進法の改正に伴いホテルや旅館の耐震改修に関連した相談件数も多くなっています。スポンサーを探しているケースから売却を検討しているケースまでありますが、まだ耐震診断すら済ませていない施設も少なくないので、相談件数はもっとふえてくるでしょう。補助制度も創設されていますが、なかなか動いていないのが実態のようです。

――今後、ホテル投資マーケットはどのように動いていくのでしょうか。

土田 既存ホテルの売買取引件数については、今後もふえ続けていくと予想していますが、新規供給数が限られていますので急激にはふえにくいと考えられます。

 また、キャップレートは低い水準で推移していますが、さらに低くなるかというと、将来のホテル業界全体の成長の可能性を踏まえた投資の見極めがポイントになってくるとみています。

 新規ホテル開発では開発型証券化を使ったスキームの検討を視野に入れている投資家もおり、開発手法の幅も広がっていきそうです。インバウンド需要の拡大に伴い、その受け皿となるラグジュアリーブランドもエコノミーブランドも不足感があります。

 東京都心部で開発用地を確保していくことと並行して、羽田空港の国際化や24時間運用などインフラの国際競争力の強化が進んでいけばグローバルブランドの進出意欲は一層高まると思われます。

――本日はありがとうございました。


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